DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



言葉を途切れさせて目を伏せたままのミカエルをジュードは暫く見ていたが、不意に席を立ち、再びキッチンへと向かった。

グラスをもう一つ持って戻ると、黙ってそれにも赤紫色の液体をすすぎ、ミカエルへ差し出す。

「お前も飲むといい、人間は眠れない時にも飲むそうだからな」

差し出されたグラスに視点を合わせて、ミカエルは眉をひそめた。

「……飲んだことないわ」

伏せていた目をジュードの顔へと向けたミカエルに

「天下の守護天使様は酒は禁止だとでも? それともまだお子様には早いか?」

ジュードはそう言って口の端をかすかにあげて見せる。

ジュードの笑みと台詞に乗せられた意地の悪さにすぐに気付き

「馬鹿にしないで。こんななりでも、もう大人よ」

ムキになったようにそう言って、ミカエルはグラスを奪い取り、一気に煽ってみせた。

勢いは良かったものの、飲み干してすぐに口に広がるほろ苦さに途端に顔をしかめる。

「ま……っずい」


< 413 / 729 >

この作品をシェア

pagetop