DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
言葉を途切れさせて目を伏せたままのミカエルをジュードは暫く見ていたが、不意に席を立ち、再びキッチンへと向かった。
グラスをもう一つ持って戻ると、黙ってそれにも赤紫色の液体をすすぎ、ミカエルへ差し出す。
「お前も飲むといい、人間は眠れない時にも飲むそうだからな」
差し出されたグラスに視点を合わせて、ミカエルは眉をひそめた。
「……飲んだことないわ」
伏せていた目をジュードの顔へと向けたミカエルに
「天下の守護天使様は酒は禁止だとでも? それともまだお子様には早いか?」
ジュードはそう言って口の端をかすかにあげて見せる。
ジュードの笑みと台詞に乗せられた意地の悪さにすぐに気付き
「馬鹿にしないで。こんななりでも、もう大人よ」
ムキになったようにそう言って、ミカエルはグラスを奪い取り、一気に煽ってみせた。
勢いは良かったものの、飲み干してすぐに口に広がるほろ苦さに途端に顔をしかめる。
「ま……っずい」