DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>




――とにかく、この場から動かねば



冷気は今や、骨の髄まで届こうとしている。

カチカチと、無意識のうちに慣らしていた歯の音に追い立てられるように、顔を上げる。

しかし、何も見えない暗闇の中一体何処へ動けばいいというのか……

あてどもなく、それでももう一度周囲へと頭をめぐらし、背後へ向けて体を捻ったその時。

瞳が微かな光源を捉えた。

細長く縦に伸びた僅かな隙間のようなもの。

そこから漏れる、一筋の光。

当然のごとく。引寄せられるように、凍えた足はその光を目指す。

片手は何かを握っていたから、空いたもう片方の腕で震える体を抱きながら。

黒に染められ、地面かどうかすら確証の無い闇を、一歩一歩踏みしめるように近づき、どうにか目前までたどり着く。

体を抱いていた腕をそっと光の隙間の脇に伸ばすと、確かな手応え。

その手応えはどこか懐かしい感触で、それにホッとして、迷わず手の平で押す。


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