DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



(そうだ、知ってる)

ルーシーが見つめる先、みるみる近づいてくる幾つもの黒い機影に、目覚めたもう一つの意識が声を上げた。

(知っている……だってこれは……)

一気に押し寄せる絶望と痛み。

せりあがるそれに表情を歪めたルシフェルの耳に

「ルーシー!! 窓から離れ……」

叫ぶ母の声が飛び込んできた。

(だってこれは……)

同時に視界を覆う激しい閃光。

そして空間を支配する耳をつんざく轟音を聞きながら

(わたしの記憶……)

閉じた瞼に膨れ上がった感情が溢れだす。

頬を伝うその欠片の熱さは、ただただ痛みとなってルシフェルを刺し、より意識を鮮明なものへとしていく。

ルーシーではない。







今は、ルシフェルと呼ばれる自分へと……






< 488 / 729 >

この作品をシェア

pagetop