DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「大丈夫、おびえないでルーシー……わたしたち、貴方にとても感謝しているのだから」
そう言って折れた腕を母が持ち上げ
「知ってるわ、貴方が私たちの為にしてくれたこと」
ルシフェルの後方を指差した。
振り返ったルシフェルの背後にあったはずの壊れた窓は消え。
かわりに見えた木々の葉が覆う天井。
辺りの風景は一変していた。
立ち並ぶ木々の隙間に伸びる細い獣道。
その先に見える古びた民家の屋根。
「あ……」
見覚えのある景色に、ルシフェルの背中をひやりと冷たい汗が伝う。
「よせ……見せるな。見せるなウリエル」
この術をかけたであろうウリエルに懇願するようにルシフェルはうめいた。
「行こうよおねえちゃん」
クスクスと笑いながら、先立つように駈けていく血まみれの弟の、軽い足音。
「嫌だ……」
行きたくない。だってあそこは……
動かずにいるのに、近づいてくるその場所。
そこに残る記憶に怯え、ルシフェルは必死にそれを拒んだ。
だが――