DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「何を言ってるの? ほら」
気がつくと、目の前に血しぶきが飛び散っていた。
恐怖に顔を歪めた首が、ごろりと、地に転がる。
(嫌だ!!)
拒む意思とは無関係に、降り注ぐ銃弾の雨を潜り抜け、建物の陰に隠れていた草色の軍服の襟元をつかみ引き摺り出す。
「わたしたちの仇を討ってくれたでしょう?」
耳元で囁くように響く母の声。
(違う!! あれは誤りだった……わたしは、わたしは……)
クスクスと笑う声を聞きながら、引き摺り出した兵士を一刀で切り捨て、再び銃声の方へと走る。
(嫌だ……違う、こんなことをしても……どうにもならないのに)
見つけた次の兵士も容赦なく切り伏せる。
頬にかかる生暖かい感触に、寒気と吐き気を催しながら
(こんなこと……こんなこと望まない)
それでも振るわれる腕。
「嬉しいわ、ルーシー。わたしたちのために……」
偽りの母の声を聞きながら、本当の母の姿を思い浮かべる。
残酷な場にあって響く偽りの弟の笑い声を聞きながら、本当の弟のあどけない姿を思い浮かべる。