DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
ファーレンは咄嗟に振り返り、階下の兵士を手招きした。
「……? 隊長、どうかなされましたか?」
呼ばれて上がってきた兵士は首を傾げる。
彼はまだ異変には気付いていない。
「要塞内にいる兵たちを集めてすぐにここから出なさい」
「え?」
「いいから、早く」
パニックに陥らせてはいけない。静かに、だが、有無を言わせぬ強い口調でファーレンは兵士に言い聞かせる。
「隊長は……? 一体何が起こってるんです?」
それでも戸惑いがちに問い掛ける兵士。
「俺は大丈夫。ちょっとね、嫌な予感がするんだ。俺はウリちゃんと一緒に後から行くから。いいね? 急いですぐにここから離れるんだ」
そう言ってファーレンは兵士の肩を押す。
「上官命令だよ」
突き放すように言葉で威圧すると、兵士はただならぬ気配を察したのか、すばやく敬礼をして階段を駆け下りて行った。
「間に合うといいけど……」