DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


光はもう内部一面に満ちて、黒い壁を突き破ろうとしているのか、ドーム自体を内側から圧迫して膨れ上がらせようとしていた。

アイアン・メイデンには個体ごとに各々別の特殊能力がある。

あの光が、ルシフェルの特殊能力なのか?

あの闇から脱け出そうというのか?

「くそ……負けるかよっ」

ぎり、と唇を噛み。ウリエルは鎖を持つ手に意識を集中する。

抵抗する意思があるのなら、まだあそこから出すわけにはいかない。

苦しんで、苦しんで。

その精神を破壊してしまうまでは……

「おまえなんか……っ」

ありったけの魔力を鎖に注ぎ込む。

あの善人面を消し去りたい。

兵器のくせに、奇麗事を言う馬鹿げた堕天使なんかに負けたくない。

壊れた兵器には壊れた魂がお似合いだ。

「大人しく、入ってろよっ!!」

揺れが増して、気を抜けばぐらつきそうになる体を、足に力を込めて支えながら、ウリエルが叫ぶ。

注がれた黒い影が壁に厚みを増し、膨れ上がっていた球体が収縮した。



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