DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「カッチェ……急がねばならんのはわかったが……ファーレン殿は……坊ちゃまは無事なのか……?」
引き摺られるように走っているガルベスが息を切らしながら言う。
副隊長のガルベス大尉はもともとバラシュ家に縁が深い。
ファーレンの父が担当する練兵場で長いこと部下として兵士達の指導の任にあたっていた。
ファーレンの父を敬愛する彼は幼少からファーレンを可愛がり、その可愛がりようと来たら……
ファーレンの兵役に合わせ、練兵場での指導の任を降りて軍隊へ戻ったほどの徹底ぶりだ。
当然のようにファーレンとセットのように常に同行している彼ともカッチェは顔なじみである。
だからこそ異変を感じた彼が真っ先にどこに向かうかが分かったのだ。
「大丈夫です!! ウリエル様と一緒に来ると言われてましたから!!」
年老いた健気な副隊長を励ますように声をかけたものの、カッチェ自身不安に襲われつつあった。