DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
今にも崩れそうなほどに要塞全体を震わせる、この大きな揺れ。
原因は城壁の上にある。
守護天使ウリエルと侵入者がその原因であることを、一番に進入者を発見してファーレンに知らせたカッチェは知っている。
けれど……
守護天使ウリエルが戦闘兵器アイアン・メイデンであるゆえに並々ならぬ破壊力を持っていることは予想できたが、まさかこれほどとは思わなかった。
そして、侵入者のことも気がかりだ。
たった一人、ウリエルと対峙していた相手もまた……女の子の姿をしていた。
アイアン・メイデンであるウリエルとたった一人で対抗できる少女なんて想像もつかない。
あの侵入者は一体……
正体はわからないものの、ウリエルがすぐにケリをつけられなかったという事実が只者ではないと悟らせる。
そもそもウリエル自身が言ったのだ。
「おまえらでは相手にならない」と……
自分達一般の兵士、いや、ただの人間では敵わない相手?
そんな侵入者とウリエルが戦う場に、隊長一人置いてきたことが今更悔やまれる。
危険きわまりない状況だからこそ、隊長は自分達を脅してでも退避させようとした、何故それに早く気付かなかった?