DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「え……?」
音もなく、弾けたのは。光。
ルシフェルが振り下ろした大剣の青白い光がまた別の光の壁に阻まれ、ぶつかりあったそれが、一瞬、火花に似た細かな光をきらきらと乱反射させながら散らした。
重い一撃を止めたのは、白銀の壁。
倒れたまま動けずにいるウリエルを守るかのように立ちはだかり、その小さな身体を覆い隠してしまいそうなほどに大きな体躯をした四足の獣が、白銀の光の壁越しにルシフェルをじっと見上げていた。
(何……だ? あれは……)
ファーレンは目を凝らしてその獣を見る。
剣を阻む光の壁と同じ艶やかな銀色の毛並みをした、狼。
けれどそれは狼と呼ぶにはあまりにも大きく、そして底知れぬ存在感を持つ、美しい獣。
狼と良く似てはいるが、今まで見たことのないその姿の異様さに思わず見惚れていると……
「ルーシー」
その獣は、あろうことか、言葉を口にした。
人しか口にしないはずの『言葉』で、目の前で剣を振り下ろしたままの体勢のルシフェルをじっと見つめたまま
「それは、お前の望みではないだろう?」
諭すように、獣はそう言った。