DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
ルシフェルの肩が、ピクリと微かに震える。
「落ち着きなさい。これは、お前の望みではない……そうだろう? ルーシー・マクドナルド」
ファーレンの知らぬ名で呼ばれたルシフェルは、その途端
「……あ……」
小さく喘ぎ、幾度か瞬きをした。
虚ろだった瞳に光が戻る。
それと共に、大剣の先がぐらりと揺れ、ルシフェルの手から離れた剣は重たい音をたてて地面に落ち、その剣身に纏っていた光を失い、鈍く黒光りする塊と化して静かに横たわった。
「己を取り戻したか?」
問い掛けるように言う獣を青い瞳が捉え、どこか安堵したような表情を見せたルシフェル自身も、すぐに力が抜けたかのように崩れ落ちる。
光の壁がパッと消え、素早い動きを見せた獣が、柔らかそうな毛並みの広い背にその身体を受け止めた。