DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
いつのまにか、すぐそばに魔物が立っていた。
思わず身を強張らせ、ウリエルを庇うように抱きすくめ身構えたファーレンに
「心配しないで、何もしませんよ。あなたに敵意がないのはわかります」
魔物はそう言ってそのまま地べたに腰を降ろし、ファーレンと目線を合わせ
「すみません。お連れの方に酷い怪我を負わせてしまいました。けれど、それは彼女が望んだことではない」
ちらりと、うしろに横たわるルシフェルへと視線を走らせてみせた。
「あなたが止むを得ず槍を投げたように、あれも仕方なかったことです。わかってもらえますか?」
「あ……いや……なんで……?」
謝罪する魔物が続けた言葉にファーレンは驚きを隠せない。
(この、魔物とかいうやつ――)
一連の出来事から、どうやらルシフェルの知りあいらしいことは察しがつく。
だからルシフェルのことを理解していたとしておかしくはない。
だけど……
「簡単なことです。あなたが投げた槍には迷いが見えた。だから、あなたが望んだことではないとわかっただけ」
まるでファーレンの考えを読むかのように疑問の答えを魔物は口にした。