DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


何もしていないわけではない。

沢山のディラハン兵を斬り捨ててきた。実際に圧倒できるだけの力を持っている。

けれど……

任務の多くは、侵入してきたディラハン軍の殲滅や奪われた街の奪還が主だ。

かといって防戦一方というわけでもない。ことあるごとに、ディラハン側への軍の派遣も行われている。

攻撃をしていないわけではない。

(でも……何故?)

時折り大きな編隊を組み、攻め込むこともある。

だが、それはあくまで一般の……人間の兵士のみで構成された軍隊。

そこに守護天使が加わったことは、ミカエルが知る限り一度も無い。そう……一度も……

――何故だ?

ミカエルの中でも最近膨らみつつあった疑問。

これだけの力を、敵を易々と殲滅できるだけの力を付与しておきながら何故、攻撃に使わない?

現存する四体。それだけでも、十分にディラハンに大きな痛手を与えられるはずなのに。

不用意に貴重な国民を失わずに済むはずなのに。

無用な血を流さずして、早々に戦局を変える事が出来るはずなのに。



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