DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
どうやらジュードが彼らの意識に何らかの干渉をして、先ほどまでの記憶を彼らが持たないらしいことに気付いたミカエルはその状況に甘んじることにした。
彼のことも先ほどの異常現象も説明するのは面倒なことだし、それが一番てっとり早い。
「何をしてるのです? もう騒ぎは収まりました。早く持ち場に戻りなさい」
ミカエルが声をかけると、ハッとしたように憲兵達は姿勢をただしミカエルのほうを向き敬礼をして
「す、すみませんっ。お手を煩わせ申し訳ありませんでした!!」
そう謝罪の言葉を残し、慌てて自らの持ち場へと向かい足早に歩き去っていった。
去っていくその後姿を見送るミカエルの横で、カチリと金属の擦れる音が静寂に響く。
自分の頭よりやや高い位置から聞こえた音に視線をずらせば、口に咥えた煙草から煙をくゆらせるジュードの横顔。
「……あの言葉……何したの?」
「あれは古の言葉だ。古き血に眠る言葉には魔力が宿る……少しばかり記憶を消しただけだ……たいしたことはしてない」