DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―4―)
「お客さん……お客さん。カラヤに行くんだろ? もうそろそろ着くから起きた方がいいよ」
肩を軽く揺さぶられ瞼をあけると、老いた車掌が人のよさげな笑みを浮かべて目の前に立っている。
「あ……すみません」
アレックスは深くもたれていた座席の背から身を起こし、車掌に礼を言った。
昼過ぎにアルマを出発してもう随分長いこと列車に揺られている。いつのまにか深い眠りに落ちていたらしい……気が付けば窓の外を流れていた景色は消え、すっかり闇で覆われている。
「なあに。ご覧の通り、西方面へ行く客は少ないからねえ……暇なもんだから、乗ってる客が何処に行くか切符を確認する時に全部覚えちまうさ」
そう言って、顔の皺を更に深くくしゃくしゃと寄せる車掌の言葉に車内を見回す。
眠ってしまう前まではポツリポツリとあった人影は、いつのまにかなくなっており。今、この車両に乗っているのはアレックス一人らしいことに気付く。
「休暇中の里帰りってとこかね?」
起こしただけでは物足らなかったのだろうか? 車掌はすぐに立ち去るでもなく、のんびりと訊ねる。どうやら、暇つぶしに世間話でもしていこうと思ったらしい。
アルマで乗って以来、ずっと空いているアレックスの向かいの座席に、よっこらせと呟きながら腰掛けた。
「いえ。ちょっと人に会いに」
「ほお。待たせている恋人でもいるのかい? うらやましいもんだ」
「お客さん……お客さん。カラヤに行くんだろ? もうそろそろ着くから起きた方がいいよ」
肩を軽く揺さぶられ瞼をあけると、老いた車掌が人のよさげな笑みを浮かべて目の前に立っている。
「あ……すみません」
アレックスは深くもたれていた座席の背から身を起こし、車掌に礼を言った。
昼過ぎにアルマを出発してもう随分長いこと列車に揺られている。いつのまにか深い眠りに落ちていたらしい……気が付けば窓の外を流れていた景色は消え、すっかり闇で覆われている。
「なあに。ご覧の通り、西方面へ行く客は少ないからねえ……暇なもんだから、乗ってる客が何処に行くか切符を確認する時に全部覚えちまうさ」
そう言って、顔の皺を更に深くくしゃくしゃと寄せる車掌の言葉に車内を見回す。
眠ってしまう前まではポツリポツリとあった人影は、いつのまにかなくなっており。今、この車両に乗っているのはアレックス一人らしいことに気付く。
「休暇中の里帰りってとこかね?」
起こしただけでは物足らなかったのだろうか? 車掌はすぐに立ち去るでもなく、のんびりと訊ねる。どうやら、暇つぶしに世間話でもしていこうと思ったらしい。
アルマで乗って以来、ずっと空いているアレックスの向かいの座席に、よっこらせと呟きながら腰掛けた。
「いえ。ちょっと人に会いに」
「ほお。待たせている恋人でもいるのかい? うらやましいもんだ」