DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


そう思いつつもひっかかるものがある。

(今夜の内に診療所を確認しておけば、明日訪ねる時にも迷わず行けるな)

場所確認も兼ねて一度行ってみてから宿を探そうと思い直し、鳥たちの進行方向と逆に向けて歩き出す。

しばらく真っ直ぐ進むと、今度はぞろぞろと大通りを横切っていく人の列が見えた。

夜間の外出は首都に限らず、国内に在る全て都市で自粛するようにとされているにも関わらず、しかも歩いている人々の手には棒切れのようなものを持つ手もある。

ただならぬ雰囲気を察し、アレックスは近くの建物の隙間に身を滑り込ませ、気配を消してその人の列を見送った。

人の列は時々通りにある建物に一つ、二つと人影を吸い込み数を減らしながら道の先を思い思いの方向へと枝分かれしながら姿を消していく。

その影が完全になくなってしまってからアレックスは大通りの方へ移動し、人の列が現れた方向へと曲がる。

ポケットにねじ込んでいたガーフィールドが手書きで書いた地図を取り出し確認すれば、その方角はやはり……

(何か、あったのか?)

妙な胸騒ぎが沸き起こり、足を速めて進む。確かこの先にある路地。そこに目的の診療所はあるはずだ。






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