DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「此処にね、ディラハンの兵が運び込まれたらしいの。それで人が集まって騒いでたんだけど」
「ディラハン兵?」
「そうよ。でも医者が引き渡そうとしないもんだから暴動になりかねないってことで呼ばれたのよ……まあ、何とか皆帰ってもらったけど」
そこでミカエルはチラリとジュードの方へ視線を走らせて、再びアレックスと目を合わせると逆に聞き返す。
「それで? あなたはどうして此処に? 休暇中に訪ねるってことは……ここの人、あなたの身内か何か?」
「……身内ではありませんが、アルマの知人に届け物を頼まれて……」
答えながら、もう一度間違いなくこの建物が届け先なのか確認しようとミカエルの後ろの扉を覗こうとした時
「……ガーフィールド?」
一言喋ったきり無言を貫いていたジュードが低く呟いた。
その目は、今アレックスが覗きこもうとしていた扉横の板切れに釘付けになっている。
「……そのアルマの知人とやらはこの診療所の身内の者か?」
「え? あ……はい」
どんな素性かはわからないが、守護天使と共に行動してる上、先ほどみせたミカエルの親しげな様子から、それなりの人物なのだろうとジュードを判断して、その問いかけに素直に答える。