DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「暴動の鎮圧もなんだけどね。本来の目的は中にいるのが本当にディラハン兵なのかの確認……もしそうだった場合は身柄の確保もするよう言われて来たんだけどね」
そう言いながら診療所へと顔を向け
「あれだけの騒ぎにもドアを開けるそぶりも見せないし、先に憲兵が様子を伺おうとした時も開けなかったらしいから……軍服姿の私が行っても無理かなと思ってたんだけど」
「それで、開けぬのなら無理にでもドアを開ければいいだけのことだと俺が言っていたところなのだが」
言葉を切ったミカエルがくるりと勢いよく向き直り、それに言葉を重ねたジュードと同時にアレックスのほうへ一歩歩み寄ったかと思うと
「ガーフィールドの身内に手荒なまねをするのは気がひける……未然で良かった」
「あなたなら入れてくれそうよね。便乗しちゃってもいいかしら?」
二人揃って(意味は違えど)安堵したような表情でアレックスへ熱い視線を送った。
普段そんなものとは無縁に近いアレックスだったが、怖さとかとはまた別の、二人が放つ得体の知れない威圧感がのしかかるのを全身で感じる。
それに押されるように無意識にあとさずりしながら、ここは素直に頷くしかないのだと悟りにも似た心境で
「……構いませんが」
そう言わされていた。