DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―5―)
「ジノ。粉のボウルを取っておくれ」
自分が手にしたボウルで白く膨らんだ卵白の泡加減を見ながら、アンナは手にしていた泡立て器のスイッチを切る。
何せジョセフと結婚してすぐの頃に購入した十年越えの年代モノ。
それはそれは凄まじい音が厄介ではあるが、それでもまだ自力で泡立てるよりも数段早く楽に卵白を泡立ててくれる。
どのみち外は騒がしいのだから、深夜といっても五月蝿さなど今更関係ないだろう。
そもそも、その騒ぎのせいでこんな深夜まで起きている。腹も減るというもの。
丁度昨日、いつも診ている患者が診療代のかわりに持ってきた粉と卵があったから、夜食にパンケーキでも作ろうということになったのだが……
「ジノ? どうしたんだい?」
泡立て器の音で聞こえなかったのかと、もう一度呼びながらアンナは顔を上げたが、キッチンの中にジノの姿が見えない。
さっきまでそこで泡立てる様子を眺めていたのにと、キッチンに隣接する診療室を覗く。
「あ、アンナさん……」
「ジノ。粉のボウルを取っておくれ」
自分が手にしたボウルで白く膨らんだ卵白の泡加減を見ながら、アンナは手にしていた泡立て器のスイッチを切る。
何せジョセフと結婚してすぐの頃に購入した十年越えの年代モノ。
それはそれは凄まじい音が厄介ではあるが、それでもまだ自力で泡立てるよりも数段早く楽に卵白を泡立ててくれる。
どのみち外は騒がしいのだから、深夜といっても五月蝿さなど今更関係ないだろう。
そもそも、その騒ぎのせいでこんな深夜まで起きている。腹も減るというもの。
丁度昨日、いつも診ている患者が診療代のかわりに持ってきた粉と卵があったから、夜食にパンケーキでも作ろうということになったのだが……
「ジノ? どうしたんだい?」
泡立て器の音で聞こえなかったのかと、もう一度呼びながらアンナは顔を上げたが、キッチンの中にジノの姿が見えない。
さっきまでそこで泡立てる様子を眺めていたのにと、キッチンに隣接する診療室を覗く。
「あ、アンナさん……」