DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「なんだい。ようやくあきらめてくれたのかい?」
ランスとジノの言葉に、ふう、とため息混じりにそう言いながら、白衣の裾で濡れた手を拭きキッチンから出てきたアンナが言うと
「いや、誰も居ないわけじゃなさそうだぞ」
ドアから顔を離したジョセフだけが首を横に振った。
「……小声だが、誰かがドアの前で話してる……なんと言ってるかまでは聞こえんが……男と……女の子のようだな」
「女の子?」
ジョセフの台詞にアンナは更に首を傾げた。
あの騒ぎに女の子が混じっていた? いや、騒ぎの後に来たのか……どちらにせよ、こんな時間に女の子がいるのはどこか不自然だ。
「患者なのかい?」
「うーん……でも、入ってくる気配はしないんだよ」
ジョセフも戸惑い気味な声で答える。
「かといってこちらから開けるのもな……あの騒ぎの後だし……」
「ええ……」