DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
帰ってきた答えに含まれた娘の名に、アンナの固まっていた表情から一気に力が抜ける。そしてアンナは
「黒髪……」
小さくそう呟くと、慌てた様子で診療室の奥の小さな薬品棚の方へつかつかと近寄り引出しを開け、中を漁りだした。
そして中から一枚の紙切れを取り出すと再びドアの近くへ戻り
「あんた、名前は!?」
外の人物へ声をかける。
「え……? あ……はい。アレックスです。アレックス・レンフィールド」
外から帰ってくる答えを聞きながら紙切れに目を通していたアンナは、それを聞き終えるとほぅ、と大きく息を吐き出した。
「……騒ぎですっかり忘れてた」
平気な振りをしていたが、やはり先ほどまでの騒動に随分悩まされていたのだ。
今朝方もらったばかりの父親からの連絡の内容すらすっかり忘れてしまっていたとは……
「そういえば……」
アンナの様子にジョセフも思い当たることがあった。
朝方、アルマにいるアンナの父親から電話を受けたのはジョセフ。
知り合いが今日そっちに行くから手紙を持たせたと……目立つ奴だからすぐわかると言ったガーフィールドが教えてくれた客人の特徴は、確か黒髪――