DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
どうあがいても屈するしかないような相手がここに来てしまった。
背筋に冷や汗を伝わせる二人に対し、ジノは溢れる好奇心を隠すことなくミカエルの前に立ち、じっとミカエルを見上げている。
遠慮も何もなく、まっすぐに。子供だからこそ出来る芸当だ。
「やっぱり綺麗だ。それに本当の女の子みたい……ねえ、ほんとにロボットなの?」
あどけない顔で見上げる少年の質問にミカエルは口元に浮かべた笑みに一瞬苦味を走らせる。
「ええ、そうよ。機械で出来た人形よ」
ミカエルの台詞を後ろでジュードは黙って聞いている。
「ふーん。本当に? ……でも、全然わかんないや」
心底不思議そうに首を傾げるジノ。その肩に手が掛けられ、ジノは後ろにぐい、と引かれる。
「え? え? 何……」
突然邪魔をした人物の顔を仰ぎ見る。
「ジノ、せっかくお客様が来たんだ。パンケーキが作りかけだったろう? 一緒に作ってお出ししよう」
ジョセフはニコニコと笑いかけそういうと、有無を言わせずジノの手を引いてキッチンへと向かった。
「もっとお話したかったのにー」
「後でゆっくり出来るさ」
慌しくキッチンへ去っていく二人を見送っていると
「で? 預かり物ってなんだい?」
アンナの声が聞こえ、アレックスはハッとしてアンナへ顔を向ける。
「あ……はい。これです」