DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「そうだ」
じっとペンダントを握り締めて俯いていた男が何かを思いついたかのように呟き、顔を上げた。
おもむろに首からチェーンを引きちぎり、そのままそれをミカエルの方へと差し出す。
「覚悟は出来ている……だが、頼めるのなら頼んでもいいだろうか? いつか、ディラハンに攻め入る時でもいい、むこうへ足を踏み入れることがあるなら……せめてこれを祖国の地に埋めて欲しい」
じっとミカエルを見つめ
「身体は戻れないかもしれないが、せめて魂だけでも家族のそばに帰ってやりたい」
男は静かにそう願いごとを口にした。
「…………」
無言でミカエルはそれを見下ろし暫らく思案していたが
「受け取れない」
そう言って男の手に白い手を重ね、男の胸元へと押し返す。
「……そうか。そうだな……この期に及んで頼みごとをしたところで……」
男は苦笑を浮かべ、あがくことはせず諦めの言葉を口にしようとした。だが
「そうよ」
その言葉は途中でミカエルに遮られる。
「貴方の頼みごとは聞けない。埋めたければ自分で埋めなさい」