DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


「それは……」

戸惑いを浮かべて男はミカエルを見上げた。

それが出来るなら頼みなどしない。だからこその願いだというのに……

「ちょっと! それくらい聞いてやればいいじゃないか……連れて行かれたらその人はもう……」

男の気持ちを代弁するかのようにアンナが怒りの声を上げるが、ミカエルは少しの動揺も見せることなく男に視線を定めたまま問う。

「貴方は、何故戦うの?」

「何故? そんなこと……」

ミカエルが問う意味が分からず男は口篭もった。

軍人だから戦う。軍人であらねばならぬから戦う。この時勢、国は違えど争う者どうし事情はそうはかわらぬだろう。

そんなことは問わずとも量れるというもの。

「誰だって……好き好んで戦ってなどいないさ。戦争などなければ誰が……けれどそうはいかないだろう? 守らなきゃいけないものがある……だから……」

「守る? 何を」

「そんなもの……決まっているだろう? 国だ……自分が生まれた……家族の住む……大切なものを失くすわけにはいかんだろう!?」

「そのためにだったら命を捨てる覚悟があると?」

「そうだ!」



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