DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「だから、兵士さんが自分でディラハンに行けばいいんだよね?」
不規則な靴音と共にのんびりとした声がその場に響いた。
「パンケーキ。できたよー」
ニコニコ顔のジノが両手で持った大皿のうえに重ねられたパンケーキの山からひょこりと顔を出す。
慎重な足取りで大皿をテーブルの上に置いたジノがミカエルに向かって笑いかけた。
「ミカエル様、そうだよね?」
あどけない笑顔を向けられたミカエルの顔が無表情を崩す。
「そうよ」
形の良い唇が薄らと弧を描いた。
「え……?」
ミカエルの背後でジュードがふと漏らすような吐息を僅かに溢す。
それ以外の面々はジノとミカエルのやりとりに首を傾げた。
「いや……だからね。この兵士さんはもうディラハンには……」
「帰してあげるってミカエル様は言ってるんでしょう?」
アンナが言いかけた説明を最後まで聞かず、ジノはそう言いながらミカエルの側まで行き、その手をひいた。
「ねえ。ミカエル様もパンケーキ好き? 隣に座ってもいい?」