DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
一同の視線がミカエルに集まる。
「話ぐらいは聞かせてもらうわよ。その傷はどこで負ったもの?」
ミカエルに促され男は包帯を巻かれた自分の肩を見やる。
「ああ……これは。リディルで」
「リディル? 兵が集まってるとは聞いてたけど、戦闘があったの?」
ミカエルが眉をひそめる。
リディル要塞。ディラハンとの国境線がある西の防御の要。
そこに兵が集まっていて近々大きな戦闘になるだろうと、ウリエルが少し前から派遣されているのは知っている。
だがそこで戦闘があったという知らせはまだ受けていない。
「戦闘……いや、そうとも言い切れないな。実際何が起きたのか……分らないというか……」
男の歯切れもいまいち悪い。どこか困ったような表情で俯きがちに話す。
「野営中に誰かが侵入した。何がわからないままに味方の悲鳴が聞こえたから駈けつけたら……信じられないものを見た」
そこで男の瞳が微かに見開かれた。そのままその視線はミカエルへと向けられる。