DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「……まさか、あれも貴女の仲間か? さっき聞こえた。貴女はこの国の守護天使だと……兵器だと言われていたな」
「……ええ、そうよ」
「国でも聞いたことがある。エルカイザには少女の姿をした化け物がいると。とても人とは思えないと……そんなものがいるわけないだろうと思っていたが、あれは本当だったのか」
「そう。私たちの誰かにあたって生き残った運のいい人がいたのね」
ウリエルではないだろう。ウリエルは見逃すなんてことはしない。
密かに身を隠した兵士や逃げる兵士も執拗に探し出して必ず留めを刺す。
だが、ラファエルやミカエルは目的を達成した後にそこまではしない。指示に全滅とない限りそれは任務外の無用なものだ。
「……私達……そうか、やはり他にも……一体全部で何体いるというんだ……それにしてもとんでもないものをエルカイザは作ったものだ……」
男の疑問は聞き流し、ミカエルはその続きを促す。
「何を見たの?」
「多分……貴方の仲間だろう? 少女だった……少女が、戦車を斬り捨てていた……止めようとしていた者も誰も彼女を止められなかった」
少女。の一言にミカエルとアレックスのこめかみがぴくりと震える。
「俺も止めようとして……この様だ」
「灰色の髪の女の子?」
「いや……違う」
ミカエルの言葉を男は否定した。
「赤い。真っ赤な髪をした少女だった」