DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―7―)


「赤い……髪……?」

男の台詞に反応して問い返すのと同時に、ミカエルは自分以外にその台詞に反応した存在に気付く。

目には見えないが、だが、確かにピンと張り詰めた何か。

それが何なのかとミカエルは気を探る。

丸いテーブルを囲むように並んで座るミカエルとジノの向かい側。正面に座るディラハンの男の隣、ずっと言葉少ななままに席についていたアレックス。

フォークを持つ手が、不自然な位置で止まっていた。皿につくかつかないかの微妙な位置。パンケーキを切るにも食すにも適さない位置で何故か静止している。

「そうだ……見た目は貴女とそうかわらないくらいの歳の頃の赤い髪の少女だ。軍服ではなかったが……身の丈ほどもある大剣を易々と扱っていた」

ディラハンの男の声と共に、気を取り直したかのように静かに皿に置かれたアレックスのフォーク。

他の誰も気付いてはいないようだが、ミカエルはそのささいな違和感ある動作を見逃さなかった。


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