DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
じっと目を合わせたままそう言うアレックス。その態度に、ミカエルの表情が和らぐ。
アレックスは本当に軍にこの件に関することを報告するつもりはないらしい。
その懸念を晴らすために本来なら公にすべきでない自らの身元を晒したのだ。
ケルベロスのことは勿論ミカエルも知っている。守護天使の事が特秘事項だった頃に自分達と接する事が許された数少ない立場の者達。
彼ら自身、ミカエル達程ではないにしろ隠されているに近い存在だ。特殊工作や偵察、国が表ざたにしたくない裏案件などに関わる事が多いとも聞く。
ミカエルが何を目的にここを訪れていたのかアレックスは最初は知らなかった。
だから任務で来ている訳ではない……休暇中だというのも本当だろう。そもそもここにミカエルを派遣されることになった時点でそれ以外のものが同じ目的でここに派遣される理由はなくなるのだから。
ならば――
「休暇中に郵便配達?」
「いえ。確かにガーフィールドさんに頼まれてここに来ましたけど……他にもここに来た目的はあります」