DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
ジョセフの台詞をそのまま反芻するミカエルにアレックスはほんの少し苦笑めいたものを見せると
「……人を、探しています」
そう言いながら、隣に座るディラハン兵へと顔を向けた。
「それってまさか……」
アレックスの視線の意味するもの。それを想像して出かかった言葉をミカエルは飲み込んだ。
まさか――
有り得るだろうか?
そんなことが。
信じられない思いが強い。
いくら彼がケルベロスの隊員だとしても、それは知りえることではないはずなのだ。
けれど、アレックスは……確かに反応した。それが意味する事。そして彼がこの状況と話の流れの中で晒した己の素性とここにいる理由――
「どうかしたのか?」
話を聞かせろといっておいて途中で話を遮り、そして今度は黙り込んだミカエルの様子に、ディラハン兵がおずおずと問う。
その声に思考を断ち切られ、ミカエルはハッとした。
気づけば皆が訝しげに自分を見ている。
「いえ、何でもないわ。大丈夫。この通り彼のことを心配する必要も無いから……続きを話して」
気を取り直し先ほどの話の続きを促す。
そうだ、最優先に確かめねばならないのはこちらが先だ。
けれど……。
男の話を聞きながらミカエルは時折りアレックスの様子を伺う。
じっと黙したまま男の話に耳を傾けるアレックスの……元々乏しい表情に浮かぶ変化を見逃さないよう。