DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>

ミカエルに言われ、ディラハンの兵はリディルでの出来事をこと細かに説明した。

「戦車や武器は破壊されて使い物にならなくなった。銃で狙っても当たらない。まあ、灯りも片っ端から消されていたから確かに視界は悪かったが……それでもあれだけの銃撃を受けても動きが止まらなかったということはダメージを受けていないのだろう……常人では考えられない」

「それでどうなったの?」

「銃が駄目ならと剣で切りかかったが払われる。気が付けば半数ほどの兵が動けなくなっていた……その時点でたまりかねた指揮官が彼女の要求を聞く事に応じた」

「要求は何だったの?」

「……ただ、すぐにこの場から撤退して欲しいと……」

ミカエルに問われるままに話をしていたディラハン兵はそこで一息つき

「あれだけの戦闘の中で、兵器をことごとく破壊しておきながら……何故か死者は一人も出ていなかった。元々撤退だけが望みだったから殺さなかったのか……それとも力の差を見せつけるためにあえて殺さなかったのか……」

そう付け加える。最後は言葉を濁しながら何かを思案するような顔で。

「それで、撤退した。それなのに貴方は何故こんな所にいるの?」

そんな男に向かいミカエルが更に問うと、ディラハン兵は目線をミカエルへと戻して頷いた。

「……それが、情けないことに気を失ってしまってな。正直あんな化け物相手に無事には済まないだろうと思っていたし……ああ、失礼」

その相手を仲間かと尋ねたミカエルにむかい『化け物』とうっかり口にしてしまったことに気がつき、ディラハン兵は慌てて口を押さえる。

それに対してミカエルは

「いいのよ。気にしなくて……確かにあたしたちは化け物だもの」

ふふ、と笑みを浮かべ続きを促す。



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