DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


「それは、いつの話ですか?」

ランスの思考は、馴染みの無い声で断ち切られる。

ここに来てから、間もない。そのうえ発言も少ない青年の声。思えば問われた事にしか答えていないのではないのだろうか。

そんな青年が自ら初めて発言をした。

「そうですね……五年程前でしょうか……ジノはまだ四つでしたから……」

あまりに無口で表情も少なかったアレックス。そんな彼自らの問いかけに戸惑いつつもランスは記憶をたどり答える。

それを聞いたアレックスは喉を僅かに上下させ、再び口を開いた。

「彼女は……自分の名前をなんと名乗ったのですか?」

「え?」

「天使の名前を名乗ったと言った……。それはどの天使の名前ですか?」


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