DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―9―)




連れを探すのに付き合って欲しいというのはあくまで口実。アレックスの予想通り、ミカエルは路地を出てすぐ、角を曲がり診療所から見えなくなった途端に足を止めた。

「ねえ。アレックス……あなた、人を探していると言ったわね」

背後を無言でついてきたアレックスを振り返ったミカエルはそう言ってニコリと微笑んでみせた。

「奇遇ね。あたしもね……ここへは任務できたけれど……それとは別にずっと探している人がいるわ」

「……そうですか」

ミカエルに続き、少しだけ離れた場所で足を止め、静かに答えるアレックス。

その距離を縮めるためにミカエルは進んだ距離を数歩分戻り、アレックスの目の前まで来ると、下からその顔を覗き込んだ。

「……あの兵隊さんの話に反応したわね。あなたの探し人と何か関係あるのかしら……」

「……それは……」

やはり気付かれていたのかと内心嘆息しながらアレックスはどう返答するべきか考える。


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