DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



「その子は貴方にとって大切な人なの?」

恋人だったとでもいうのだろうか? それとも血筋の近いものか……自然に思い浮かぶままに尋ねたミカエルだったが

「……え?」

何故かアレックスは戸惑うような声を上げた。

「え? じゃないでしょう? あたしを脅してまで会いたいんでしょう?」

「あ……そう……ですね。……大切……な人……?」

「ちょっとちょっと?」

様子のおかしいアレックスにミカエルは眉をひそめる。

「会ってどうするつもりなの?」

「え……どうするって……」

ミカエルの目に映るとおりに、アレックスは混乱していた。

ただ、会いたいと。会わねばならないと……それだけに突き動かされてここまで来た。

会いたい理由はある。会わねばならない理由もある。

だが、彼女が大切な人かと聞かれても、それはよく分らない。

会ってどうするつもりなのかと聞かれても、とっさにその答えは出てこない。

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