DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
確かめるかのように投げかけられたアレックスの問いに、ミカエルは答えなかった。
否定も肯定もせず。
ただ、ミカエルは
「あの子に危害を加えるつもりはないのね?」
ぽつりとそんなことを呟いた。
「そんなつもりは……」
ミカエルの様子に、彼女の思惑をはかりきれないまま、アレックスは聞かれた事に対して首を振るしか出来ない。
聞こえたのか聞こえなかったのか、ミカエルは顔を伏せたまま黙り込んだ。
そんなミカエルをじっとみつめ、アレックスは彼女が再び口を開くのを待つ。
もう、後には引けない。目的を晒してしまった今、ミカエルの返事を待つしかない。
答え次第では、ここを無理にでも突破せねばルシフェルには会えない。
もっとも、守護天使相手にそれは無謀としかいえないだろうが……
衣擦れの音をたてぬよう、細心の注意を払いながらそっとコートのポケットに忍ばせた拳銃へと手を伸ばそうとした時。
「ふふ……っ」
そんな声と共に、ミカエルの肩が僅かに弾むように跳ねた。