DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「申し訳ありませんがお通しすることは出来ません」
「……そうか」
扉を開け、何度も繰り返した言葉をラファエルが口にすると、来客者は白い眉間を微かに寄せて目を伏せた。
「病状は毎日医者からの報告書を届けていますからご存知のはずです。とても面会出来る状態ではないことも……」
「私は来客ではない。血の繋がった彼の息子だよ」
ラファエルの言葉をクロードはやんわりと遮る。困ったような悲しげな笑みを浮かべて。
その様は一見、ただただ親を心配し会いたいと純粋に願っているようにしか見えない。
けれど、人とは信用ならない生物だ。見た目などいくらでも取り繕うことができる。
笑顔で偽り、裏切る。
たとえそれが血をわけた肉親であろうとも――
現に、彼の兄はそうしようとした。