DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「いえ稀に。部屋へ呼ばれることはありますが直接お顔を拝見することなどはありません。静かにお休みできるようベッドは常にカーテンで覆ってありますから」
「話すこともないのかい?」
「何度も説明したはずですが、ご病状は重く、起きて話せる状態ではありません」
「ああ……そうだったな……」
ラファエルが否定すると、クロードはそう言い淀み、
「おかしなことを聞いてすまない」
謝罪を述べて苦笑した。
そのまま項垂れしばらく地面を見つめていたが、やがてあきらめたように溜息を落とし、おもむろに再び顔を上げ
「今日は帰るよ」
ラファエルに向けて微笑み
「……すまない」
もう一度そう繰り返し、背中を向けた。
そのまま静かに来た道を戻っていく皇子を見送り、花に彩られたアーチのカーブの向こうに背が消えるのを確認してラファエルは扉を閉めた。