DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>






――すまない。



残された台詞が曖昧な記憶の断片と重なる。

確か……誰かもそんな言葉を口にした。

そう、あの裏切り者。彼の兄も最期、同じ言葉を口にした。

罰を下す自分に向かい、苦痛の表情と共に真っ直ぐに自分を見つめて――

『ああ、そうか……』

今日のように宮殿を訪ねる度、応対すると向けられるクロードの瞳。時折どこかで見たような錯覚に陥る。

だが、それも当然だ。彼の瞳は兄とよく似ている。

そしてラファエルはその兄を間近で見たことがあるのだから……

『何故……』

その瞬間は思い出せない。けれど、直後の彼の表情は、言葉は、鮮明に思い出せる。

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