DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
店には時折、古書を買いに来たのではなくガーフィールドの知人らしき人物も訪れるが、言っては悪いが何故か見掛けが怖そうな人物が多い。
ガーフィールド曰く、軍隊に居たときの部下や友人だと言う話だが、成程、皆鍛えられているせいか体つきが厳しく、また古傷らしきものが腕や顔にあったりする。
そのせいで怖く見えるのかと納得していたのだが、今すれ違った人物は、そんな普段見かける祖父の知人とはどこか雰囲気が違った。
帽子のせいで顔が良く見えなかったが、声の感じからしても……祖父の知人にしては若いような気もする。
「なんじゃ、もう帰ってきたのか?」
妙な違和感にぼんやりしていると不意に祖父の声が間近に聞こえて、リリスは思わずびくりと肩を跳ねさせた。
ハッとして振り返れば開いたままのドアを閉めようと出てきたのであろう祖父がすぐ横に立っている。
「あ、ううん。ちょっと忘れ物しちゃって……!!」
びっくりしたはずみに用件を思い出し、ドアの中に身体を滑り込ませる。
カウンター奥のドアから部屋へ向かい置き忘れていた袋を取り、一度キッチンへ立ち寄り水を飲んで店の方へ戻ると、祖父はいつものように、無造作に積まれた古本の山の上を毛のブラシで叩いていた。
「お爺ちゃん、さっきの人だあれ?」
「ん?」
声を掛けると手の動きが止まり、ゆっくりと祖父は振り返った。
「ああ、昔の知り合いの息子じゃよ……なんでじゃ?」