DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>

ただ一つ。気がかりなのは、他でもない……リリスのことだった。



『カラヤに戻した方が、いいじゃろうな』



国境に近いカラヤは物騒だからと、娘夫婦から預かった孫娘。

だが、ことと次第によっては、この首都が騒乱に陥るのも遠い日の事ではないだろう。

そうなってしまえば、ここにいてもカラヤにいても危険なのには変わらない。

寧ろ、自身が動くとなればアルマに居る方がリリスにとっては危険かもしれない。

孫であるリリスは知らない。ガーフィールドの過去も、本当の姿も……知る必要がないから話をしたこともなければ悟られせもしていない。

娘のアンナもそれを充分分かっているからこそ、その事には決して触れはしない。

ヨハン・ガーフィールドはただの寂れた古書店の店主。それ以外の何者でもない。

それが一族を……最愛の孫娘を守るための絶対。


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