DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
不意に、ジュードの脳裏にそんな言葉と共に、誰かの残像が過ぎった。
おぼろげな、古い映像。
顔ははっきりしない……が、白い肌に浮かぶ、赤い唇だけがやけに鮮明で……そして、その赤は一瞬のうちに映像を埋め尽くし。
「…………っ……」
それと同時に襲った、鈍く重い頭痛に、ジュードは思わずこめかみを押さえ呻いた。
「どうした? ジュード」
急に様子が変わったジュードにガーフィールドも気づき、心配げにジュードを見上げる。
「いや……」
脈打つようにこめかみを圧迫する頭痛に耐えながら、ジュードは周囲を素早く見回した。
『なんだ……このかんじは……』
ガーフィールドは何も感じていないようだ。ただ心配そうに自分を見上げている。
人間には感じ取れない、何か。
身体が、いや。身体ではなく血が感じるもの。
頭痛とは別に、それを感知したジュードの背筋をおぞましい感覚が走る。
この感覚は、知っている。
そういえば、寸前に聞こえた声にも覚えがある。
リエルでも、誰でもない……少女の、声。