DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
していることに背徳感や罪悪感を感じることはなくとも、自分がしていることが常識的なことかそうでないかはコーエンも自覚してはいる。それを女性である……しかも国王の妃である彼女が率先して援助してきたのだ。
「まあ、もうそろそろ潮時だろうがね」
卓上に置かれたビーカーにチラリと目線を送り、コーエンは口端を歪めて笑った。
不可思議だが有難くもあった王妃も、最近では少し考え方が変わったらしい。方針に変更が加えられた。
新たに生まれる守護天使は今までのそれとは別物だ。正直、コーエン自身はその開発に対して先の研究ほどは情熱は持てなかったのだが。結局、合理性だとか、このまま守護天使開発を進めるならば負うであろう現実的リスクを考えれば、そこに行き着くのは当然であろう。
薄ら笑いを張り付かせたままコーエンは、机へと近づくと、その上にあるビーカーではなく引き出しの取っ手に手を掛け、そっと開けた。
そして中から大切そうに取り出したものに頬を寄せ
「大丈夫だ……もうすぐだよ」
小声でそれに囁きかけた。