DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「ラファエル!」
声を掛けると短い金の巻き髪が揺れて、端正な造りの白い面が緩慢な動きでこちらへ向けられた。
「ガブリエル。戻ってたのか……」
「ええ、ついさっき。会えて嬉しいわ、近頃誰とも会ってなかったもの」
早足で駆け寄り、ガブリエルはラファエルの手を取ると、自分より少し背の高いラファエルを笑顔で見上げた。
研究所に篭りきりだったというのもあるが、他の姉妹達はここを留守にすることが多い。ラファエルにもそれは言えることで、こうして面と向かい合うのは随分と久しぶりだった。
「ああ。そうだな」
言われて初めて気がついたとでもいうように、少し思案してラファエルは僅かばかり口元を緩めたが、すぐに何かを思い出したかのように眉間に皺を寄せた。
「だが、近いうちにまた出なくてはならなそうだ」
「? 何かまたあったのですか?」
きょとんとした表情を浮かべたガブリエルの様子を見て、ラファエルは小さく首を傾げた。
「聞いていないのか? ウリエルと連絡がとれなくなった」
「え?」
「リディルで何かあったらしい。ミカエルが様子を見に向ったそうだから問題は無いだろうが、他に何か起これば私が出ることになる」
「そう……」
王妃はそれらいいことはガブリエルには一言も言わなかった、戦線に必要ないガブリエルには言う必要がないと判断したか、それとも……