DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「どうした」
心持ち沈んだ表情を浮かべて考え込むガブリエルに気がつき、ラファエルは微かに眉をひそめて問う。
「いえ。わたしは……本当に何も出来ないのね」
ポツリとガブリエルがそう呟くと、ラファエルはああ、と小さく声を漏らして表情の乏しい顔を幾分緩め、ガブリエルの肩に手を添えた。
「すまない。余計なことを言ってしまったようだ……だが貴女が考えているようなことではなく、戻ったばかりの貴女に心配事をさせまいと王妃様は言わなかったのだろう」
気遣うように乗せられた手と、当たり前のように重ねられた言葉。
それは押し付けがましいものではなくごくごく自然な所作だったので、引け目を感じているガブリエルの神経をそれ以上すり減らすことなく慰めるに十分だった。
「いやだ、ごめんなさい。貴女に気を遣わせるなんて」
「いや。いつも世話をかけているのは私達のほうだ。貴女がいなければ私達は本当にまとまりがないのだから」
ほんの少し眉尻を下げて苦笑するラファエルにガブリエルも思わず笑みを零した。