DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
個性の強い姉妹達がいまいち協調性にかけるのは確かな事実で、ラファエルとミカエルなどはよく口論を始めようとする。そんな時に場を収めるのはガブリエルの役目だった。
一番見かけの幼いこの長女の懇願には不思議と皆弱く、誰も寄せ付けようとせず好戦的なウリエルでさえ、ガブリエルにたてつくことはしなかった。
彼女の持つどこまでも柔和で、そして邪気のない純真な様には相手の毒気を削いでしまうような不思議な力でもあるのかもしれない。
反抗心どころか庇護欲をそそらずにいられない、そんな彼女の存在は、ともすれば衝突しがちな姉妹の中で緩衝材的な役目を担っていた。
「ふふ……ありがとうラファエル」
クスクスと笑みを漏らしながらガブリエルはラファエルに礼を述べると、一旦息を置いて紫電の瞳を細めた。
「ところでラファエルは何をしていたの?」
「ん? ああ……」
問われたラファエルは先ほど眺めていた窓の外へと視線を動かした。
「鳥が……な」
言われて同じく窓の外へガブリエルが顔を向けると、窓がなければすぐ手が届きそうなほど近くに植えられた背の低い木の上に、こちらをむいてちょこんととまっている小さな鳥が見えた。
「私が行くところに良く来るんだ。下手をすると司令部でも見かける……」