D U S H ! !


「後ろ盾?」

「はい。名前だけ、貸してほしいんです」

「……。」


musicmagazineフェス。

それは、学生限定インディーズバンドのフェスだ。

フェスと言っても、地方の競技場や広場を貸し切って、良くいえばライブハウス一押しの、悪く言えばライブハウスからの援助をされたバンドだけが出場するフェス。

大きなライブハウスでは、そのフェスに出るための学生オーディションまでするとか。

それに、彼のバンドは出たいのだという。


「そのフェスに出て、いい賞を取れば、音楽会社の方が『デビューを考えてもいい』と言ってくれているんです。賞を取る自信はあります。だけど俺達、学生オーディションに落ちちゃって。亮太郎さんのライブハウスにも頼み込みをしたんですが、頼むのが遅かったらしくて。もうあるバンドが出場決定しちゃってるみたいなんですよね。それで、「もしかするとココなら』って言われたのが、DASHEDfc-って訳なんです」


「………」


彼は必死だった。

そりゃそうだ、これでデビューが決まるかもしれないのだから。



「…気持ちは分かるんだけど……。」

腕組みしたおっちゃんが言った。


「もうな、おれのところも出場申込しちゃったんだよ、DUSHを」







「……。…て、え?!俺達?!」




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