D U S H ! !



「…え、ギターの師匠としてじゃなくて?」

「……オレとしたことが口を滑らした。」

「それさえも口に出してるよ」

「………」




話を聞いた。

鮎川は最初から、ユカのことが好きだった。

ユカは気付いてないらしい。

俺に『オレのユカちゃんへの気持ちは尊敬の念だけだよ』なんてことを言ったのは、俺とユカが両想いだってわかったかららしい。

身を引いたって訳だ。


「あいつ、泣きながらオレの所に来やがってよ。『カイジぃ~どうしよう、オレ、どっちも欲しいよ~』って。あ、あいつが欲しいのはユカの心とお前との友情ね」

「……。」

「ハラと二人で話を聞いて、鮎川が出した答えは『バンドを続ける為にも恋は諦める』って。」

「……。」

じゃあハラくんもこのこと知ってんだ。

「…あ。『大丈夫だよな、オレ、格好良いからすぐに彼女見つかるよな』なんてことも言ってたな」

「…16年間彼女居ないくせして?」

「ハハハ、そう。いつもの鮎川に戻ってた。」

「……。」


「…でも、傷が癒えた訳ではなかったみたいだな。それでもヤマトを思って言ったんだろ、あの言葉は」


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