エリートな貴方との軌跡


今こそ頼りたい…というより、こんな時こそTwitterかもしれないね…?




「だいたいね、アイツは自分勝手すぎるのよ。

身体でどーにかなると思ってたら、大間違いだっつーの…!」


「ふふっ…」


不機嫌極まりない空気が蔓延する中で、堪え切れずに笑ってしまった。



「ん?真帆ちゃん、笑うトコじゃないでしょ?」


「だ、だって…絵美さん、可愛いから…」


そんな私に対して不審な顔つきをする彼女に、生まれるのは笑いばかりだ。



「はあ!?何言ってんの…!?」


「やっぱり大切な人の存在って、凄いですねー」


「もぉっ、幾ら部下でも“アイツ化”しないでよ…!」


不機嫌さが収まった途端に、今度は何処か気恥ずかしそうな表情を浮かべる彼女。




“どこぞのお姉さまは、不機嫌なときこそ思ってる事と真逆な事言うから”


試作部を退出する直前、最後にそう言って送り出してくれた松岡さんの言う通り。



絵美さんの強気発言の数々には、彼の事が大切という事が見え隠れしているから。



上手い具合にバランスを取り合う2人は、“やじろべえ”だなぁと思えたの――…




「ほら真帆ちゃん、何してんの」


「これが目的だったんですね…」


エレベーターが到着を告げた階にある部屋で、何となく予想はついていたのだけれど。



「良いから。好意は素直に受け取んなさい」


秘書にはあるまじき…というか、彼女だから許されるであろうノック無しでの入室だ…。




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