夜空に響く恋【短】
「浴衣……」


「え?」


不意に呟いた君を見ると、前を向いたまま話を続けた。


「馬子にも衣装やな」


「何それ?素直に、『似合ってるな』とか言われへんの?」


「うっさい」


憎まれ口を叩いたあたしに、君はそう言ったけど…


君なりの精一杯の褒め言葉に、笑顔が零れる。


「屋台出てるかな?」


「穴場やから、出てへんで」


「ふ〜ん……」


君がいるなら、屋台なんて必要無いんだけど…。


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