至近距離恋愛 -Hero-
メイクをしようにも、寝不足の肌はメイクのノリが悪い。


着て行く服すら、どうでもいいと思ってしまう。


何度も漏れるため息のせいで、あたしのテンションは下がっていく一方だった。


雷がいてへん時って、こんなに静かなんや……


毎日会っていたから、気が付かなかった。


それが当たり前になっていたから、こんな日が来るなんて思いもしなかった。


鏡に映る自分を見て、深いため息が漏れる。


そんな気持ちのまま、重い足取りで家を出た。


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